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赤とんぼって、難しいよ
 合唱……その(3)

 人類は、どこの国民、いかなる民族かを問わず、ほぼ二つの派閥に分類できるのであります。
 それは、犬派と猫派という二大派閥であります。
 吾人をして言わしむれば、希に、その両派いずれにも属する、ということを自我の中に矛盾なく包含する、という離れ業をなす人物もあるやも知れません。しかし、これは例外中の例外としておくべきなのであります。

 って、馬鹿な明治風文体は止めて、いつもの文体に戻ります。

 犬派の人は、犬の従順さ、忠実さがやはり人間の本当の友は犬だ、という証だと言います。でも、猫派の人は、その同じ性質を卑屈だ、と考えて嫌います。
 対して、猫派は、猫の独立自尊の気風が高貴だ、と言います。でも犬派は、それを単なる我が儘だと言います。

 で、ジャーン! ここに驚愕するべき事実があります。
 実は豚猫は、二十代半ばまで、完全な犬派だったのです。
 猫なんて、小学四年生の時に、ポーの「黒猫」でトラウマを負って以来、むしろ嫌いだったのです。
 それが、どうやって猫派に転身したのか。長いお話があるんです。

       ※

 さてと、下山農業高校(仮名)では、ほとんど壊れかけるほど追いつめられていた豚猫ですが、下山高校(仮名)での合唱部活動は、一種のオアシスでした。
 下山市(仮名)の合同音楽祭も終わり、いよいよ最大の目標、全日本合唱コンクール県大会に向けての練習が始まりました。♪♪

 自由曲は、音楽祭でも歌ったバード作曲、三声のミサよりグローリア。
 問題は課題曲ですが、NHKの学校音楽コンクールと違い、全日本のコンクールでは、「合唱名曲シリーズ」という古今東西の名曲を納めた課題曲集から一曲選ぶシステムになっています。( ・∀・)つへーへーへー
 でも、まあこれはすんなり決まりました。

 自由曲がラテン語の曲だから、やはり課題曲はバランスからいって日本語の曲がいいだろう、ということで、中田喜直作曲「ちいさな果樹園」から「実る言葉」という曲にしました。( ´ー`)y─┛~~
 いよいよ音取りが始まりました。
 ちょっとリズムが面倒くさい曲なので、手取り足取りです。

 ピアノ伴奏つきなので、ピアノは、ちょうど前から知っているKさんという、とても美人の(*´д`*)ピアニストが下山市(仮名)にいたのでKさんにお願いすることにしました。
 おさーんとしては、楽しみが、また増えたわけですね。

 で、みなさん、日本語の曲なんだから、ラテン語より簡単だろうと思っていませんか?
 実は、これが大間違いなのです。o(^-^)oチガイマスヨ
 ラテン語やイタリア語にはa、e、i、o、u、という五つの母音があります。
 それで、この五つの母音全部が、響かせるポイントが同じなんです。
 要するに、物理的に一番共鳴するポイントで発音すればいい。

 そして、これも重要なポイントですが、同じaという母音なら、単語のどこにあってもおんなじ響きで歌えばいいんです。
 こういう風に言語構造が出来ているので、イタリア人は、ごく普通に話しているような感覚で歌えば、あのトリノオリンピックの開会式で歌っていたパバロッティ爺さんみたいなすんごい声になるんです。(σ゚∀゚)σエークセレント!!

 ところが、日本語の発音体系は、こういうラテン語やイタリア語の発音体系と全然違うんです
 試しに、私たち日本人の心の歌「赤とんぼ」を歌ってみましょう。
 ゆうやーけ~こやけえの♪あかと~ん~ぼ~♪

 この赤とんぼの赤は、“あ”、も、“か”、も、母音は同じ“あ”ですね。
 では、この同じ母音である“あ”を、ラテン語みたいに同じポイントで、赤を響かせてみましょう。
 まずは、顔の全面、主に鼻に響かせるようにして、明るく歌ってみましょう。

 どうですか、まるでNHKの歌のお姉さんみたいになるでしょう
 言葉ははっきりと聞き取れますが、幼い感じは否めません。(・◇・)
 
 では、声を口の奥の方で、深く響かせたらどうでしょうか。
 これが、実は東敦子や佐藤しのぶなどの、イタリアで勉強してきた、国際的オペラ歌手! たちが赤とんぼを歌うときの声になります。
 とても、耳に心地いい響きになりますが、とうてい日本語の赤とは聞こえません
b(⌒o⌒)d

 実は、赤とんぼの赤を、ちゃんと日本語の赤、と聞こえるように歌うためには、最初の母音“あ”を、少し奥で深く発声し、次の“か”の母音である“あ”を顔の全面で明るく歌わないといけないのです。
 つまり、発音記号でも、仮名でも、同じ“あ”と書いてあっても、歌うときは言葉のイントネーションや、単語内の位置などで別のポイントに響かせないといけないんです。

 ですから、日本語の曲を歌うときには、発音はラテン語に比べて格段に面倒になります

 あ、ご免なさい。
 ここでお断りしておかなければいけませんが、これは、あくまでも豚猫が三十数年間の指揮者経験から、勝手に導き出した理論です。
 決して、誰か権威のある人の言葉で裏付けられた理論ではありませんので、ご注意ください。~~-y( ̄▽ ̄*)

 まあ、こんな風に、面倒くさい発音指導も混ぜながら、でも、やはり合唱っていいよなあ、と思いながら一所懸命下山高校(仮名)に通っていた豚猫なのでした。

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by butanekosama | 2006-03-08 13:18 | 合唱


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