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恐怖・微笑み鬱病と仮面鬱病
 鬱病ハンドブック……その(12)

さて、こんなやんちゃ坊主共を監督するには、モコは、最初は頼りない母猫でした。
 元々、おっちょこちょいなところのある猫でしたしね。
 子猫どもは、走り回り、悪戯しまくる。
 モコは、なかなか押さえが効かない。
 そんな訳で、豚猫とリーチ君の住処は、阿鼻叫喚の地獄となり果てました。
 もう、柱でも、ふすまでも爪研ぎの痕だらけ。
 障子は破れ、畳にはひっくり返されたお茶がしみこみ。
 手の付けようがありません。
 でも、そこはやはり母は強し。
 ある日ふと気が付くと、モコは、急にしっかりした、なかなかあなどれない存在感を示すお母さんになっているんですね。
 あれ、いつの間に? と訝しくなるような変貌でした。
 うーん、この頃が、豚猫の人生の中で、一番幸福だった時期かも知れません。
 いくら可愛くても、四匹の子猫をみんな飼っているわけにはいきません。
 やがて、この子猫達も次々と人にもらわれていくようになりす。
 一匹もらわれていくごとに、寂しさは募ります。
 そうして、リーチ君も、教員採用試験に合格して、酒田に帰ることになりました。
 豚猫だけでは世話が出来ないので、モコも人にもらわれていきました。
 豚猫は豚猫で、勉強の都合で東京に出ることになりました。
 こうして、幸福な猫との共同生活も、終わりを告げました。
 残されたのは、猫嫌いから猫好きに変わってしまった豚猫だけでした。

       ※

 初めて当ブログにいらっしゃった方は、まずあらすじをお読みください。
 今日は、平成四年の十月末頃のことを書いています。

       ※

 さてと、こんな風に退院してきた豚猫ですが、あんまり入院していた効果はありませんでした。
 でも、取りあえず、学校のストレスからは解放されたので、それは良かったと思っています。(´▽`*)アハハ

 ただし、こんな風に看護師さんたちにも注目されなかったのは、豚猫の症状にも、一抹の責任があるのかも知れません。
 と言うのも、どうやら豚猫は、いわゆる微笑み鬱病で、しかも仮面鬱病でもあるらしいからです。(・_.)?

 微笑み鬱病というのは、検索では「ほほえみうつ病」で検索した方が多くヒットするようです。
 スマイリング・デプレッションとも言うそうです。
 どのサイトにも、似たようなことが書いてあります。
 要するに、内心どんなに苦しくても、外見は平静を装い、明るく微笑んでいたりする
 なので、外から見て一見重症の鬱病とは見えない。Σ(゚д゚ )ハッ!
 そういう症状を、微笑み鬱病というんですね。

 怒りや不満を感じていても、悲しみのどん底に落ち込んでいても、その感情を表に出すことが出来ないんです。
 そういう感情を押し殺してしまって、外見上はいつもニコニコと笑っている。
 これでは、看護師さんたちが豚猫の鬱病を見逃しても無理はありませんね。(^^;

 でも、こうやって、外見は穏やかそうに見えても、微笑み鬱病の患者の鬱は軽いわけではありません。 
 こんな例もあります。
 ある課長さんが、部下を連れてカラオケ屋に行きました。
 課長さんは、にこやかに幸福そうで、自分もノリノリで歌っていました。
 で、課長さんはトイレに立ちました。
 いつまでも帰ってこないので、不審に思った部下が見に行くと、課長さんはトイレで首を吊って死んでいました。( ̄◇ ̄;)エッ…絶句。
 こういうのが、典型的な微笑み鬱病です。

 ですから、外から見て、落ち込んでいるように見えない、辛そうに見えないから、鬱が良くなったんだろうとか、そもそも鬱病じゃないんだろうとか、軽々しく判断してはいけません。
 実は内面で、深刻な鬱が進行している場合があるんです。(´・人・`) ナムナム

 じゃあ、もう一つの仮面鬱病って何かと言いますと。
 これも、一見鬱病に見えないタイプの鬱病です。
 と言うより、本人も自分が鬱病だと自覚できないタイプの鬱病なんですね。

 というのは、症状が気分の落ち込みとして現れず、体の痛みなどとして現れるんです。
 腰が痛い、肩が痛い、腹が痛い、目眩がしてどうしようもない。
 こんな症状が現れます。
 外科に行っても、内科に行っても、眼科に行っても異常はないよ、と言われて、何か適当な薬を処方されて終わっちゃう。
 で、症状は一行に改善されません。(;^ω^)

 ところが、心療内科や、精神科にかかると、実は鬱病が主なる原因でそういう症状が現れるんだよ、と言われる。
 で、多くの場合は、抗鬱剤を服用すると、腰の痛みや腹の痛みなどは、ケロッと収まってしまうんです。ワ━( ゚д゚)━イ

 前の主治医だったO先生に、豚猫は仮面鬱病で、自覚しているより精神的な症状は重いんだよ、と言われました。

 要するに、豚猫は、病院の中で、体のあちこちは痛いけど、そんなに気分は落ち込んでいないし、なんて自分では思っちゃって、ニコニコと人当たり良く看護師さんたちに接していたんですね。┐(´ー`)┌
 だから、看護師さんたちも、豚猫が悪くなっているなんて露思わずに、医者にも報告しなかったんでしょう。

 でも、よく観察すれば、ニコニコしているだけじゃなくて、鬱病患者としてはあり得ないペースで、英語も含む専門の論文を読んでいたわけでして。
 この異常さを見逃したことが、ゆくゆく豚猫の運命を大きく変えていきます

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by butanekosama | 2006-04-09 14:11 | 鬱病ハンドブック


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