闘病生活……その(149)
県大会も、いよいよ結果発表になりました。 豚猫は、Q君の、 「大地賛頌で音が下がった」 という発言が気になっていました。 しかし、結果は優秀賞。 とにかく、東北大会には出られます。 良かった良かった。 さて、今度は東北大会です。 悲願は、銅賞入賞です。 さすがに、豚猫も、生徒指揮で会津農林を超える、なんて妄想は抱かなくなっていました。 東北大会は、金賞、銀賞、銅賞、そして参加賞に当たる優良賞が出ます。 残念ながら、この当時、山形西以外の山形勢は優良賞止まりでした。 そんな中で、生徒指揮で銅賞に入賞できれば、それは大したことです。 指揮者のN君にもハッパをかけます。 N君も、銅賞入賞なら、目に見える目標なので頑張ります。 現役の生徒たちも、やはり必死に頑張ります。 いよいよ、東北大会当日になりました。 我が母校は、一応無難に演奏を終えました。 学生服の指揮者が出てきたときに、周りの高校生たちがどよめいたので、ちょっと気分が良かったのを覚えています。 会津農林高校は、間宮芳夫作曲の「五つのピエタ」から「血の花」という曲をやりました。 やはり聞き応えのある演奏でした。 結果は、会津農林高校は金賞。 我が母校は、残念ながら優良賞でした。 ※ 初めて当ブログにいらっしゃった方は、まずあらすじをお読みください。 今日は、平成十三年から十四年初頭の話を書いています。 ※ さて、しばらくすると、ようやく人前に出られるようになりました。 対人恐怖症を、何とか我慢できるようになったんです。 まあ、克服できた、というほどではありませんが。 それでも、前よりはましになりました。ヽ|・∀・|ノ 食事の時に、食堂に出るのは苦手でしたが。 夜、八時を過ぎて、夜食を食べに談話室には出られるようになりました。 夜食は、カップラーメンです。σ(^◇^;) 何種類も、妻に買ってきてもらってありました。 豚猫は、何しろ糖尿病なので、病院では厳格に糖尿病食が出ます。 一日、1600キロカロリーです。 これでは、とても足りません。o(_ _*)o おまけに、例えば、他の人がコロッケだったとしましょうか。 豚猫は、ただのジャガイモサラダになってしまうんです。 トンカツだったら、蒸した肉。 味も、相当に落ちます。 こんな状態では、やはり夜食が欠かせません。 最初のうちは、カップラーメンにお湯を入れると、自分の部屋にこもったんですが。 ある晩、勇気を出して談話室で食べてみました。 食べながら、ふと異様な気配に気が付きました。 辺りを見回すと、一人のオッサンがじっとこっちを睨み付けています。 いわゆる三白眼と言うんでしょうか。 なんか目の座った、感じの悪い目つきです。(((( ;゚д゚)))アワワワワ 豚猫が、カップラーメンを食べ終わると、そのオッサンが近寄ってきました。 そして、いきなり問いただしてきました。 「あんた、なんで病院にいるんだ。精神病患者には見えねえが」 ああ、なるほど。 昔、女の患者さんに、 「この偽患者!」 と言われたことがあります。 このオッサンも、似たような疑いを持っているんですね。 病院のスパイとでも思っているんでしょうか。???(;´・ω・`)????? 「自殺です」 豚猫は、簡潔に答えました。 すると、オッサンは、破顔一笑しました。 「おお、そうか、自殺未遂か。なんだ、飛び込み自殺か?」( ^▽^) 豚猫の後頭部の蓐瘡は、まだまだ治っていませんでした。 それで、後頭部に大きなガーゼがしてあります。 どうやら、それを飛び込み自殺でできた怪我と勘違いしたようです。 「ええ、まあ」 勘違いを訂正するのも面倒なので、曖昧に答えました。Σ( ̄◇ ̄;; すると、オッサンは、豚猫の横に座り 「そうかあ、自殺未遂かあ。いや、俺は、市会議員の某と知り合いなんだが……」 と関係ない話を始めました。 話をしながら、しきりにまるでゴリラのようにドンドンと胸を叩きます。 あばら骨が折れるんじゃないか、という勢いで叩くんです。 ちょっと引きました。( ゚ェ゚)・;'.、ゴフッ すぐに、口から泡を吹くほどに早口になりました。 ろれつが回らなくなります。 何を言っているのか、聞き取れません。 おまけに、話が支離滅裂にあちこちに飛びます。 一口で話していることでさえ、内容がとっちらかって意味不明です。 途中で、話を聞くのを諦めて、適当に相づちを打っていました。 なんか、かなり疲れて部屋に帰りました。il||li _| ̄|● il||li 次の日、トイレに行こうとすると、向こうからオバサンが歩いてきました。 そのオバサンは、擦れ違いそうになったときに、 「オッス、あたしアラレちゃん」Σ(´д`*)? と、いきなり自己紹介をしました。 え? ビックリして見ると、なるほど、かなり老けたアラレちゃんと見えなくもありません。 「あたしは、健康のために、毎日廊下を散歩しているのよ」 と切り出して、蕩々と話を続けます。 はあ。 聞いていると、言いたいことを言ったのか、 「バイチャ」 と言って、向こうに行ってしまいました。 なんだかなあ。グフェ!( 。A。) 昼に談話室に、お茶を飲みに来ました。 豚猫は、コーヒーは大好きなんですが、インスタントコーヒーは飲めないんです。 それで、紙パックの紅茶を飲んでいました。( ´・ω・)つ旦 そのお湯は、談話室にしかありません。 すると、若い女の子が、 「ねえ、時間だよ。煙草ちょうだい。ねえ、お医者さん、先生」 と、しきりにナース室の中に向かって話しかけています。 見ると、応対しているのはお医者さんではなく、看護師さんです。 多分、区別が付いていないんでしょう。Σ( ̄Д ̄;) 看護師さんは、 「駄目駄目。まだ時間になっていないよ」 と取りあいません。 どうやら、時間を決めて、煙草を一本一本もらっているようです。 (/_・)/ \(・_\) 結局、煙草はもらえなくて、その女の子は泣き出してしまいました。 すると、例のアラレちゃんがやってきました。 そして、 「大丈夫だよ。アラレちゃんが付いているから。でも、あんまり我が儘を言うと、もうアラレちゃん遊んでやんないよ」 なんて言いながら、慰めていました。 どうも、このオバサンがアラレちゃんというのは、かなり浸透しているようです。 ヽ(・ω・)/ ズコー \(.\ ノ もうしばらくすると、豚猫は、夜食堂でミュージックステーションのようなテレビ番組もみんなと一緒に見れるようになりました。 上の子とは別の、若い女の子が一生懸命歌番組を見ています。 手には、小さな手帳を持っています。...φ(。。) ちょうど、宇多田ヒカルが出ていました。 「あたし、宇多田ヒカルって、ブスだから嫌いなんだよね」 いきなり話しかけられて、面食らいました。 言われてみると、なるほど、その子はまあ可愛い顔立ちをしています。゜+.(・∀・)゜+.゜ 「あたしは、アユみたいな詞を書けるようになるんだ」 と言いながら、手帳の上にかがみ込んで、何やら小さな字を書いています。 どうやら、浜崎あゆみのファンのようです。 豚猫は、どっちかと言うと、浜崎あゆみよりは宇多田ヒカルの方が好きなので。 はあ、そういう好みもあるんかなあ。(・_.)? と思いました。 なんか、一心不乱に手帳に自作の詞を書いている姿は、はかなげで哀れでした。 ランキング、あと一歩の位置にいます。ご用とお急ぎでない方はここのバナーを 一日一回ポチッとな、とクリックしていただけると嬉しいです。<(_ _)>ヒトツ ヨロシュウ ↓ EXCITE以外の方でコメントを残したい方はパスワード欄に適当なパスワードを入力してください。
by butanekosama
| 2006-07-22 14:56
| 闘病記
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